悪人成仏
読み方:あくにん じょうぶつ
意味
悪人であっても、阿弥陀仏の本願を信じて念仏すれば、浄土に往生して仏となることができる、という浄土教、とくに浄土真宗の思想。自分の煩悩や罪深さを深く自覚する者こそ救いの対象となる、という文脈で説かれる。悪事を肯定・容認する意味ではない。
由来
浄土教における、罪の重い者をも阿弥陀仏が救うという思想に基づく語である。鎌倉時代(13世紀)に親鸞の教えを弟子がまとめたとされる『歎異抄』第三条の「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」が代表的な典拠として知られる。「悪人成仏」は、この教えを四字に要約して定着した表現である。
備考
主に浄土真宗の文脈で用いられる仏教語。「悪人」は単なる犯罪者ではなく、煩悩を抱え自力では悟りに至れない人間を指すことがある。日常的な「悪人を許す」という意味での使用は避けたい。
別表記
- 悪人成佛
誤用・混同注意
- 「悪事を重ねても無条件に許される」という意味に解するのは誤り。
- 「悪人正機」と完全に同義とするのは不正確。「悪人成仏」は成仏できること、「悪人正機」は悪人こそ救済の正しい対象であることを強調する。
例文
- 浄土真宗の教義を説明する際には、悪人成仏という考え方がしばしば取り上げられる。
- 悪人成仏は、悪事を働いてもよいという意味ではなく、阿弥陀仏の救いの深さを説く言葉である。
- 彼は『歎異抄』を読み、悪人成仏と悪人正機の意味の違いを学んだ。
分類
類義語
- 悪人正機
- 凡夫往生