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心神喪失

読み方:しんしん そうしつ

意味

精神のはたらきが失われ、物事の是非や結果を判断したり、その判断に従って行動したりする能力を欠く状態。日常的には正気を失う意味でも用いるが、刑法上は精神障害により責任能力がない状態をいい、その者の行為は原則として処罰されない。

由来

「心神」は心・精神、「喪失」は失うことを表し、「心神を喪失する」という意味から成る。中国古典の故事に直接由来する語ではなく、近代日本で整備された法律用語である。少なくとも1880年(明治13年)公布の旧刑法には責任能力に関する語として見られ、1907年(明治40年)公布・1908年施行の現行刑法39条にも「心神喪失者」の語が受け継がれている。

備考

刑法39条では、心神喪失者の行為は罰しないとされる。一方、能力が著しく低下したにとどまる「心神耗弱」は刑の減軽の対象である。医学的診断名ではなく、最終的には法的に判断される。

補足

  • 法律用語として「心身喪失」と書くのは誤りで、正しくは「心神喪失」。
  • 「心神喪失」と「心神耗弱」を同じ意味とするのは誤り。前者は責任能力の欠如、後者は責任能力の著しい減退を指す。
  • 精神障害の診断名や精神障害者全般を指す語と理解するのは不正確であり、行為時の責任能力についての法的評価である。

例文

  • 刑事責任の有無を判断するため、裁判所は犯行当時に被告人が心神喪失の状態にあったかを審理した。
  • 精神鑑定の結果を踏まえても、心神喪失に当たるかどうかを最終的に判断するのは裁判所である。
  • 強い衝撃を受けた彼は一時、心神喪失に近い状態で立ち尽くしていた。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字