弩張剣抜
読み方:どちょう けんばつ
意味
弩(大型の弓・石弓)を張り、剣を抜いた状態をいう。今にも戦いや争いが始まりそうなほど、対立が激しく緊張した情勢・雰囲気をたとえる。実際の戦闘場面だけでなく、外交・交渉・人間関係などの緊迫した状況にも用いる。
由来
中国・南朝梁代(6世紀前半)の袁昂(えんこう)による書論「古今書評」に見える「剣抜弩張」に由来する。同書では韋誕の書を、竜や虎のように勢いがあり、剣を抜き弩を張ったように鋭いものとして評した。日本では語順を入れ替えた「弩張剣抜」も四字熟語として定着した。
備考
「弩」は石弓などの大型の弓を指す。軍事的な緊張に限らず、対立が激化して一触即発となった場面を比喩的に表す。語順が逆の「剣抜弩張」も同義の表現として用いられる。
別表記
- 弩張劍拔
誤用・混同注意
- 「怒張剣抜」と書くのは誤り。正しくは、弓を表す「弩張剣抜」。
- 「どじょうけんばつ」と読むのは誤り。読みは「どちょうけんばつ」。
- 「剣抜弩張」は同義の別表現であり、単純な誤記とは限らない。
例文
- 両国が国境付近に兵力を集結させ、地域は弩張剣抜の情勢となった。
- 買収交渉は弩張剣抜の雰囲気に包まれ、出席者は一言一言を慎重に選んだ。
- 審判の判定をめぐって両チームが詰め寄り、会場は弩張剣抜の状態になった。