常楽我浄
読み方:じょう らく が じょう
意味
大乗仏教で、涅槃(悟りの完成した境地)に備わる四つの徳をいう。「常」は永遠で変わらないこと、「楽」は真の安らぎ、「我」は仏性に基づく真実の自己、「浄」はけがれがなく清らかなことを表す。
由来
大乗仏教の経典である大般涅槃経に基づく語である。初期仏教で説かれる「無常・苦・無我・不浄」に対し、涅槃の境地には「常・楽・我・浄」の四徳があると説いた。中国では北涼の曇無讖による漢訳が421~430年頃に行われ、日本には仏教伝来とともにこの思想が伝わった。
備考
主に仏教思想・仏教美術・法話などで用いる専門的な語。「我」は日常語の「自分」や利己心ではなく、仏性や真実の自己を指すため、無我の教えと単純に矛盾する語ではない。
別表記
- 常樂我淨
誤用・混同注意
- 「我」を利己的な自我・自己中心性の意味に解するのは不正確である。仏教語としては仏性に基づく真実の自己をいう。
- 「常楽我静」と書くのは誤りで、正しくは「常楽我浄」である。
例文
- 大乗仏教では、涅槃は常楽我浄の四徳を具えた境地であると説かれる。
- 住職は法話で、「常楽我浄の『我』は、利己的な自我を意味するのではない」と説明した。
- この仏画は、常楽我浄という涅槃観を象徴的に表現している。
分類
類義語
- 涅槃四徳
- 涅槃の四徳
対義語
- 無常・苦・無我・不浄
- 四顛倒