巧遅拙速
読み方:こうち せっそく
意味
仕事や行動では、出来栄えは巧みでも時間がかかる「巧遅」より、多少不完全でも素早く仕上げる「拙速」のほうが価値を持つ場合がある、ということ。特に時間や機会が重要な場面で、完璧を求めて遅れることを戒める言葉。
由来
中国の兵法書『孫子』の「作戦篇」にある「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり(兵法では、拙くても速やかな例は聞くが、巧みで長期化してよい結果を得た例は知らない)」という趣旨に基づく。『孫子』は一般に春秋・戦国時代、紀元前5~4世紀ごろに成立したと考えられている。戦争の長期化を戒めた言葉が、後に一般の仕事や判断にも用いられるようになった。
備考
「粗雑でよい」という意味ではない。品質・安全・正確性が不可欠な業務では、拙速を理由に十分な確認を省くことは適切でない。緊急性や機会損失を考慮して用いる。
補足
- 「巧遅拙速」は、単に急げばよいという意味ではなく、「巧みだが遅いこと」と「拙いが速いこと」を比較した表現である。
- 「巧速拙遅」と語順を逆にするのは誤り。
例文
- 新製品の企画では、競合に先を越されないためにも、巧遅拙速の考え方でまず試作品を出した。
- 災害時の初動対応は、細部の検討に時間をかけすぎず、巧遅拙速で進める必要がある。
- 報告書は完成度も大切だが、締切を過ぎては意味がないので、今回は巧遅拙速を心がけよう。
分類
類義語
対義語
- 優柔不断
- 巧遅