天道無親
読み方:てんどう むしん
意味
天の道理は、特定の人や身内だけをえこひいきすることがなく、公平であるということ。とりわけ、善い行いをする人には天の助け・報いがある、という考えを表す。人間の私情による判断ではなく、善悪に応じた公平な道理をいう。
由来
中国古典『老子』第79章の「天道無親、常与善人(天道は親なし、常に善人に与す)」に基づく。老子は戦国時代(紀元前4~3世紀頃)に成立・編纂されたとみられる思想書で、「天の道には私的なえこひいきはなく、常に善人に味方する」という意味から成語化した。
備考
宗教的な「天」を必ずしも人格神としていうのではなく、公平な道理・自然の理法として用いることが多い語である。「善人に与す」という原典の文脈から、善行が報われるという含みを持つ。
補足
- 「天道無心」は誤り。正しくは「天道無親」。
- 「親」は親族というより、原典では特定の者に親しみ・えこひいきすることがないという意味である。
例文
- 不正を重ねた者が信用を失い、誠実に働いた者が評価された結果を見ると、まさに天道無親という思いがする。
- 一時的には悪事が得をしたように見えても、天道無親を信じて、私たちは正しい行いを続けるべきだ。
- 裁判官は天道無親の精神で、被告との関係や世間の感情に左右されず、公平に判断しなければならない。
分類
類義語
対義語
- 縁故主義
- 私利私欲
- 不公平