天人感応
読み方:てんじん かんのう
意味
天(自然・天意)と人間、とくに君主の政治や行いとは相互に影響し合うという考え方。善政や君主の徳には祥瑞(めでたいしるし)が現れ、悪政や不徳には日食・地震などの災異が天の警告として起こると考える。
由来
中国・前漢の儒学者、董仲舒(とうちゅうじょ、前2世紀)が、陰陽思想と儒教を結び付けて体系化した政治思想に由来する。董仲舒の著作とされる『春秋繁露』などで説かれ、天の意志が自然現象を通じて人間、とくに支配者の善悪に応答するという思想として広まった。
備考
主に中国思想史・儒教史・政治思想の文脈で用いる語。現代の科学的な因果関係を表す語ではない。「天人合一」と近いが、天人感応は天の応答や災異の解釈をより強く含む。
別表記
- 天人感應
誤用・混同注意
- 「天人合一」と混同しやすいが、天人感応は天が人間の行為に災異・祥瑞で応答するという意味合いが中心。
例文
- 古代中国では、日食や地震を為政者の徳に対する警告とみる天人感応の思想が広まった。
- 天人感応の立場から、この災害は政治の乱れに対する天の警告だと解釈された。
- 史料を読む際は、天人感応を前提とした記述と、自然現象そのものの記録とを区別する必要がある。
分類
類義語
- 天人相関
- 天人合一
- 災異説