夏虫朝菌
読み方
かちゅう ちょうきん
意味
夏だけを生きる虫と、朝に生えてすぐ枯れる菌(きのこ)の意から、寿命が非常に短いもの、またはきわめてはかない命・栄華をたとえる言葉。人の世の無常を表す場合にも用いる。
由来
中国の思想書『荘子』に基づく語。「朝菌」は「逍遥遊篇」の「朝菌は晦朔を知らず」、「夏虫」は「秋水篇」の「夏虫は以て氷を語るべからず」に見える表現に由来する。これらを組み合わせ、短命で限られた世界しか知らないもののたとえとした。『荘子』は戦国時代(おおむね紀元前4〜3世紀)の成立とされる。
分類・構成
備考
主に漢文調・文章語で用いられ、日常会話ではまれな表現である。人の短命に直接用いると冷淡に響くことがあるため、無常や一時的な繁栄を述べる文脈で慎重に使う。
誤用・混同注意
- 「夏虫朝菌」は「なつむしあさきのこ」ではなく、通常「かちゅうちょうきん」と読む。
- 夏にいる虫と朝に生えるきのこを単に指す語ではなく、短命・はかなさのたとえである。
例文
- 長い歴史の流れから見れば、一時の栄華など夏虫朝菌にすぎない。
- 作者は夏虫朝菌の命を通して、人の世の無常を描き出した。
- 目先の成功に執着せず、夏虫朝菌のようにはかない流行を冷静に見極めるべきだ。