囲魏救趙
読み方:いぎきゅうちょう
意味
敵が味方を攻めているとき、攻撃を受けている場所を直接救援するのではなく、敵の本拠地・弱点・重要拠点を攻めて敵軍を撤退させ、結果として味方を救う策。転じて、問題の中心を正面から処理せず、相手の弱点を突いて状況を打開すること。
由来
中国戦国時代の故事に基づく。紀元前354年ごろ、魏が趙の都・邯鄲を包囲した際、斉の軍師・孫臏が、趙の救援に直行せず魏の都・大梁を攻めるよう進言した。魏軍は本国を救うため撤退し、斉軍は桂陵で魏軍を破った。この戦略は後に「囲魏救趙」と呼ばれ、『三十六計』の一計にも数えられる。故事の記録は前漢の司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ『史記』に見える。
備考
本来は兵法の語で、「魏を囲んで趙を救う」の意。単なる遠回りではなく、敵の急所を突いて敵の行動を変えさせる間接的な解決策を指す。現代では経営・交渉・競争戦略にも用いる。
誤用・混同注意
- 「囲魏求趙」と書くのは誤り。正しくは「囲魏救趙」。
- 「趙を救うために魏を包囲する」という字義だけでなく、敵の弱点を攻めて味方を救う間接戦略を表す点に注意。
例文
- 競合社が主力市場で値下げを始めたが、当社は正面から追随せず、新規顧客層を開拓する囲魏救趙の策を採った。
- 交渉が行き詰まったため、相手の要求だけを議論するのではなく、双方に利益のある別案件を提示する囲魏救趙で突破口を開いた。
- 敵の包囲網を正面から破ろうとするより、補給基地を攻めて撤退を促す囲魏救趙が有効な場合もある。