因革沿襲
読み方:いんかく えんしゅう
意味
過去からの制度・慣習・先例を基礎として受け継ぎつつ、時代や事情に応じて必要な改変を加えること。「因」は従来のものを受け継ぐこと、「革」は改めること、「沿襲」は前例を受け継いで従うことをいう。単なる旧習の墨守ではなく、継承と改革の両面を表す。
由来
後漢の班固らによって1世紀末から2世紀初め(およそ82~111年)に編まれた中国の歴史書『漢書』の「礼楽志」に見える、前代の礼制を受け継ぎながら時宜に応じて損益・改変を加えるという考え方に基づくとされる。「因革」は継承と改革、「沿襲」は先例を受け継ぐ意である。
備考
制度史・行政・組織運営など、伝統と改革の関係を論じる硬い文脈で用いる。日常会話では比較的まれ。「因循守旧」のように、古いものを無批判に守るだけという意味ではない。
誤用・混同注意
- 「因革沿習」と書くのは誤りで、正しくは「因革沿襲」。
- 古い制度をまったく改めずに守るだけの意味と解するのは不正確で、「革」には時勢に応じて改める意がある。
例文
- 自治体は因革沿襲の考え方で、地域の伝統を残しながら制度の不便な部分を改めた。
- 新しい規則を作る際には、過去の仕組みを因革沿襲し、そのままでは通用しない点を見直す必要がある。
- その法制度は長い年月にわたる因革沿襲を経て、現在の形に整えられた。
分類
類義語
- 因革損益
- 因襲
- 踏襲
- 継承
対義語
- 破旧立新
- 旧弊打破