因果撥無
読み方:いんが はつむ
意味
仏教で説く、行為には必ずそれに応じた結果が生じるという因果の道理を、ないものとして否定すること。「撥無」は、しりぞけて存在しないとする意で、善悪の行為とその報いとの関係を認めない考えをいう。
由来
中国語に訳された仏教経典・仏教論書で用いられた「撥無(存在を否定する)」という語に、「因果」を結び付けた仏教語である。インド仏教の因果・業報の思想を背景とし、日本へは仏教伝来後(6世紀ごろ以降)に受容された。四字熟語としての日本での最初の用例・成立時期は明確ではない。
備考
日常会話で使う語ではなく、主に仏教・宗教思想の文脈で用いる。「因果がない」という客観的説明ではなく、因果の道理を意図的に否定する立場を指す。
誤用・混同注意
- 「撥」を「発」や「抜」と書くのは誤り。
- 単に「因果関係が見当たらない」という意味ではなく、因果の道理そのものを否定する考えをいう。
例文
- 仏教では、善悪の行為に報いはないと考える因果撥無の見解を戒める。
- 因果撥無に陥ると、自らの行為に対する責任を軽く見てしまうおそれがある。
- この文章は、因果撥無の思想ではなく、行為と結果のつながりを重んじる立場を示している。
分類
類義語
- 無因無果
- 断滅見
- 邪見