因果倶時
読み方:いんが ぐじ
意味
仏教、特に天台宗・日蓮系の教えで、原因(因)と結果(果)は別々の時に生じるのではなく、一つの生命・一念のうちに同時に備わっているとする考え。蓮の花と実が同時に成ることになぞらえて説かれる。
由来
中国・隋代、6世紀末から7世紀初頭にかけて天台大師智顗(ちぎ)が『法華経』を基盤として大成した天台教学に由来する。智顗の講説を弟子の灌頂がまとめた『法華玄義』などで、蓮華の花と実が同時にある姿を、仏果とその因が同時に具わることの譬えとして説いた。日本では天台宗や日蓮系仏教で重視される。
備考
日常会話で一般的に使う語ではなく、主に仏教教学上の専門用語である。単に「行為の結果がすぐ出る」という意味ではなく、因と果が本来的に同時に具わるという教義を指す。
別表記
- 因果俱時
誤用・混同注意
- 「因果具時」と書くのは誤り。正しくは「因果倶時」。
- 単なる即時的な報い・結果を意味する語と解するのは不正確で、仏教教学上の因果同時の思想をいう。
例文
- 天台教学では、仏になる因と仏の果は因果倶時であると説く。
- 講師は、蓮の花と実を例に挙げて因果倶時の思想を説明した。
- 日蓮系の教義において、唱題によって仏界を現すことは因果倶時の考え方と結び付けて理解される。
分類
類義語
- 因果同時
- 因果一如
対義語
- 因果異時