啜菽飲水
読み方:せっしゅく いんすい
意味
豆をすすり、水を飲むような貧しい生活をしながらも、親を養い、心から孝行を尽くすこと。転じて、物質的には恵まれなくても、親孝行の真心があればよいという意を表す。
由来
中国の儒教経典『礼記』の「檀弓下」にある、子路と孔子の問答に由来する。子路が、貧しくて親を十分に養えず、死後の礼も尽くせないことを嘆いたところ、孔子は「啜菽飲水、尽其歓、斯之謂孝(豆を食べ水を飲むほど貧しくても、親を喜ばせる心を尽くすのが孝である)」と説いた。『礼記』は前漢期、紀元前1世紀ごろまでに編纂・成立したとされる。
備考
日常会話ではあまり用いない、文章語的・教訓的な表現である。単なる粗食や貧困ではなく、貧しさの中でも親を大切にする孝行の意を含む。
誤用・混同注意
- 単に「粗末な食事・貧しい生活」を表す語と誤解しやすいが、本来は親を養い孝行する文脈を伴う。
例文
- 彼は啜菽飲水の暮らしであっても、病気がちな母を献身的に支え続けた。
- 裕福でなくとも、啜菽飲水をいとわず両親を養う姿に、深い孝心が表れている。
- 伝記には、その青年が啜菽飲水の生活を送りながら父母に仕えたと記されている。
分類
類義語
- 菽水の歓
- 孝養
- 孝行
- 彩衣娛親
対義語
- 親不孝
- 不孝