唯仏与仏
読み方:ゆいぶつ よぶつ
意味
仏の悟り・智慧の真実は、仏と仏との間でのみ完全に理解し尽くせるという意味。凡夫や二乗などには、諸法の真実の姿を究めることはできないとする、法華経の教えを表す語。
由来
中国訳『法華経』の「方便品」(後秦・鳩摩羅什訳、5世紀初頭ごろ)にある「唯仏与仏、乃能究尽諸法実相」に基づく。これは「ただ仏と仏だけが、よく諸法の実相を究め尽くすことができる」という意で、天台宗・日蓮宗などで重要視される句である。
備考
主に仏教、とくに法華経の文脈で用いる語。日常会話で比喩的に使うことは少ない。「与」はこの語では通常「よ」と読む。
別表記
- 唯佛與佛
誤用・混同注意
- 「与」を「あたえる」と読んで「ゆいぶつあたえるぶつ」とするのは誤り。通常の読みは「ゆいぶつよぶつ」。
- 「唯仏与仏」は「仏を一人だけ崇拝する」という意味ではなく、仏の智慧を完全に知る者は仏のみであるという教えをいう。
例文
- 法華経の唯仏与仏という語は、仏の智慧の深さを端的に示している。
- 講師は、唯仏与仏の教えを通して、凡夫には計り知れない仏智について説いた。
- この経文は唯仏与仏乃能究尽諸法実相と続き、諸法実相の思想を示している。