咫尺天涯
読み方:しせき てんがい
意味
距離としてはごく近いのに、事情や身分、心の隔たりなどによって、まるで空の果てほど遠く感じられ、容易に会えないこと。近くにいながら通じ合えない人間関係にもいう。
由来
中国・五代十国期の南唐の詩人、李中の「宮詞二首」にある「翠華咫尺隔天涯(翠華は咫尺なるも天涯を隔つ)」に基づく。宮中にいて皇帝の近くにいながら会えない女性の思いを、近い距離が天の果てほど遠いことにたとえた表現から成り立った。
備考
「咫尺」はごく短い距離、「天涯」は空の果て・非常に遠い所をいう。物理的な距離よりも、会えない事情や心理的な隔たりを強調する文語的な表現。
補足
- 「咫尺天外」とするのは一般的な四字熟語としては誤り。正しくは「咫尺天涯」。
- 「咫尺」を「ちしゃく」と読まない。四字熟語では通常「しせき」と読む。
例文
- 同じ部署で毎日顔を合わせているのに、話す機会がなく、彼とは咫尺天涯の間柄だった。
- 入院中の祖父の病室はすぐ近くだったが、面会制限のため私たちには咫尺天涯に感じられた。
- SNSでは簡単につながれる時代でも、心を開けなければ咫尺天涯ということがある。
分類
類義語
- 咫尺千里
- 近くて遠い
対義語
- 近在咫尺
- 一衣帯水