君子好逑
読み方:くんし こうきゅう
意味
徳と教養を備えた君子にふさわしい、よい配偶者・伴侶のこと。原典では、しとやかで品格のある女性を、君子にとって理想的な妻としてたたえる表現である。転じて、人物に釣り合う優れた伴侶をいう。
由来
中国最古の詩歌集『詩経』の「国風・周南・関雎」にある「窈窕淑女、君子好逑」に基づく。そこでは、奥ゆかしく淑やかな女性が君子のよき伴侶であると歌われる。「関雎」は西周から春秋期(おおむね紀元前11~6世紀頃)に成立した古詩とされ、『詩経』としては春秋時代末頃までに編集・伝承されたと考えられている。
備考
現代の日常会話ではあまり用いない漢文由来の雅な表現。原典には古代中国の男性中心的な婚姻観が反映されているため、現代では性別役割を固定する文脈にならないよう注意が必要である。
誤用・混同注意
- 「君子好求」と書くのは誤り。「逑」は配偶者・連れ合いを表す。
- 「君子が恋人を好む」の意味とするのは不正確で、原義は「君子にふさわしい良き配偶者」である。
例文
- 古典の注釈では、「窈窕淑女、君子好逑」は理想的な結婚相手をたたえる句として解説される。
- 彼女は知性と品位を兼ね備え、君子好逑と呼ぶにふさわしい人物だと評された。
- この作品は、君子好逑という古い結婚観を背景に、男女の慎み深い恋情を描いている。