司馬青衫
読み方:しば せいさん
意味
人の不幸や悲しい境遇に深く同情し、涙を流すこと。また、そのような哀れで悲痛な思いをいう。もとは、左遷された白居易が、悲しい琵琶の調べと奏者の身の上を聞いて涙し、自らの青い官服の袖をぬらしたことに由来する。
由来
中国・唐代の詩人、白居易(772~846)の長詩「琵琶行」にある「江州司馬青衫湿(江州の司馬、青衫湿う)」に基づく。白居易は815年ごろ江州司馬へ左遷され、816年ごろに「琵琶行」を作ったとされる。琵琶を弾く女性の悲運と自らの境遇を重ね、涙で青い官服をぬらしたという詩句から、深い同情による涙を表す語となった。
備考
日常会話ではほとんど用いられない、漢文学由来の雅語・文語的表現である。「青衫」は下級官人の青い衣服を指す。単なる悲しみよりも、他者の境遇への深い共感と涙のニュアンスが強い。
誤用・混同注意
- 「青衫」を「あおぎぬ」「せいしょう」と読まない。標準的な読みは「せいさん」。
- 「司馬青杉」は誤記。正しくは衣服を表す「衫」を用いる。
- 単に自分が悲しい場合ではなく、他者の悲運や境遇への同情から涙する文脈で用いる。
例文
- 戦災孤児の証言を聞き、会場にいた人々は司馬青衫の思いで涙をぬぐった。
- その映画は、名もない職人の苦難を描き、観客を司馬青衫へと誘う作品だった。
- 友の手紙に記された長年の苦労を知り、彼は司馬青衫を禁じ得なかった。