口腹之欲
読み方:こうふく の よく
意味
食べ物や飲み物を口にして、腹を満たしたいという欲望。単に食欲を指すほか、文脈によっては、精神的・道徳的な価値よりも飲食の欲望を優先することを、やや批判的にいう。
由来
「口腹」は口と腹、転じて飲食や食欲を表す漢語で、「之」は「の」、「欲」は欲望の意である。すなわち「口と腹に関する欲」、つまり飲食を求める欲望という漢文調の構成である。特定の故事や一書に由来するという確定した説、成立年代は明らかではない。日本語では古くから「口腹の欲」とも表記される。
備考
現代文では「口腹の欲」と書くことも多い。単なる食欲の意味でも使えるが、欲望に流される姿勢を戒める文脈では批判的な響きを帯びる。
別表記
- 口腹の欲
誤用・混同注意
- 「口福之欲」とは書かない。「口福」は、おいしいものに恵まれた幸福を表す別語である。
例文
- 健康のためには、口腹之欲に任せて食べ過ぎないことが大切だ。
- 彼は口腹之欲を満たすことより、学問を深めることに喜びを見いだした。
- 旅先では多少、口腹之欲に従って土地の名物を味わうのもよい。
分類
類義語
- 食欲
- 飲食への欲求
- 食慾
対義語
- 禁欲
- 節制
- 清心寡欲
- 淡泊寡欲