厭離穢土
読み方:おんり えど
意味
煩悩や苦しみに満ちたこの世を「穢土」として嫌い離れ、そこから解脱して浄土への往生を願うこと。多くは「厭離穢土、欣求浄土」の前半として用いられ、迷いの世界を離れて仏の浄土を求める仏教的な心構えを表す。
由来
仏教語。「穢土」は煩悩・苦悩に満ちた迷いの世界、「厭離」はそれを嫌って離れる意である。平安時代中期、源信が寛和元年(985年)ごろに著した『往生要集』に見える「厭離穢土、欣求浄土」に基づき、日本の浄土信仰の中で広く定着した。
備考
「厭離穢土、欣求浄土」の前半として用いることが多い。穢土は現実の土地の汚れではなく、煩悩や苦に満ちた迷いの世界を指す。日常会話での使用は多くない。
補足
- 「穢土」を単に不潔な土地の意味と解するのは不正確で、仏教では煩悩や苦悩に満ちた迷いの世界をいう。
- 「厭世」や現実逃避だけを意味する語とするのは不十分で、通常は「欣求浄土」と対になる浄土信仰の語である。
例文
- 源信は『往生要集』において、厭離穢土、欣求浄土の心を説いた。
- その旗印に記された「厭離穢土、欣求浄土」には、浄土信仰への深い帰依が表れている。
- 厭離穢土を単なる現実逃避と捉えず、煩悩を離れてよりよく生きようとする教えとして読むこともできる。