千夫所指
読み方:せんぷ の し
意味
多くの人から指さされ、激しい非難・攻撃・嫌悪の対象となること。また、そのような立場に置かれた人物をいう。単に評判が悪いというより、世間から広く責められ、孤立した状態を表す重い表現である。
由来
中国の歴史書『漢書』王嘉伝に見える里諺「千人所指、無病而死(千人に指さされれば、病気がなくても死ぬ)」に基づく。前漢末の官僚・王嘉(紀元前3世紀〜紀元前3年)の伝を収めた『漢書』は、後漢の班固らにより1世紀後半ごろに編纂された。「千人」を「千夫」として四字に縮め、多くの人の非難を受ける意で用いる。
備考
「千夫」は千人の男、転じて非常に多くの人をいう。「千夫所指の的」の形で使われることが多い。個人・組織への世間の強い非難を表すため、日常会話では硬く重い語感がある。
誤用・混同注意
- 「千夫指所」は語順の誤り。正しくは「千夫所指」。
- 「千夫所差」「千夫所刺」などと書くのは誤り。
- 単に多くの人から注目されるという意味ではなく、非難・攻撃の対象となる意味である。
例文
- 不正経理が発覚した企業は、たちまち千夫所指の的となった。
- 権力を私物化した政治家は、国民の千夫所指を受けて辞任した。
- 一度の失言だけで千夫所指の扱いをするのではなく、事実を冷静に確かめる必要がある。
分類
類義語
対義語
- 衆望所帰
- 人望を集める
- 喝采を浴びる