円頓止観
読み方:えんどん しかん
意味
天台宗で説く、最高・完全の悟りに至るための観法。すべての存在が本来は真理と一体であると観じ、一念の心に空・仮・中の三つの真理を同時に観察する修行をいう。「止」は心を静めること、「観」は真理を正しく観察することである。
由来
中国・隋代の天台大師智顗(ちぎ、538~597)が大成した天台教学に由来する。智顗の講説を弟子の灌頂が594年ごろに筆録・編纂したとされる「摩訶止観」で、止観のうち最も完全で直接的な修行法として説かれた。日本には最澄らによって伝えられ、天台宗の重要な教義・実践となった。
備考
主に天台宗の専門用語であり、日常会話で比喩的に使う語ではない。「円頓」は段階を追う「漸次」に対し、円満な悟りへ直ちに入ることを表す。
別表記
- 円頓止觀
誤用・混同注意
- 「円頓止観」は天台宗の専門用語であり、一般に「円転止観」などとは書かない。
- 「円頓」は「円満で速やかに悟りに至る」の意で、単に「物事を円滑に止めて観察する」という意味ではない。
例文
- 天台宗の修行体系では、円頓止観が究極的な観法として重視されている。
- 講義では、円頓止観と一心三観との関係について詳しく学んだ。
- 彼は円頓止観の思想を通して、日常の一念にも仏性が備わると説明した。
分類
類義語
- 円頓観法
- 一心三観
対義語
- 漸次止観
- 不定止観