一心三観
読み方:いっしん さんがん
意味
天台宗の観法で、あらゆる存在を「空(固定した実体がない)」「仮(因縁によって仮に成り立つ)」「中(空と仮を超えた中道)」という三つの面から、一つの心で同時に観察・悟得すること。
由来
中国・隋代の天台大師智顗(ちぎ、538~597)が大成した天台教学に基づく仏教語である。智顗の著作『摩訶止観』に説かれる、空観・仮観・中観の三観を一心に修するという思想を表す。日本には平安時代初期、最澄(767~822)らによる天台宗の伝来とともに広まった。
備考
主に天台宗の教義・修行法を表す専門的な仏教語で、日常会話で用いることは多くない。「三諦」は真理のあり方、「三観」はそれを観ずる実践を指す。
誤用・混同注意
- 「一心三諦」と混同しない。三諦は空・仮・中という真理の三側面、三観はそれらを観ずる実践をいう。
例文
- 天台宗では、一心三観によって物事を一面的に捉えない修行を重んじる。
- 講師は、一心三観とは空・仮・中の三つの観法を同時に行うことだと説明した。
- 悩みを抱えたときにも、一心三観のように多面的に状況を見つめる姿勢は参考になる。
分類
類義語
- 円融三観