兎起鶻落
読み方:とき こつらく
意味
兎がさっと立ち上がり、鶻(ハヤブサ類)が急降下するほど、動作や筆の運びがきわめて素早く、鋭いこと。特に、絵や文章を一気に書き上げるような、機敏で勢いのあるさまをいう。
由来
北宋の蘇軾(1037~1101)が、文与可の墨竹画について論じた文章「文与可画篔簹谷偃竹記」(元豊2年・1079年ごろ)にある「兎起鶻落、少縦即逝矣」に基づく。兎が起き、鶻が急降下するように、絵にすべき姿を見定めたら機を逃さず一気に筆を走らせるべきだ、という趣旨から生まれた。
備考
主に筆致・文章・動作の鮮やかな速さをほめていう雅語。鶻はハヤブサ類を指す。日常会話ではやや硬い表現である。
別表記
- 兔起鶻落
補足
- 「兎起鶴落」と書くのは誤り。「鶻」はハヤブサ類を表す字で、「鶴」ではない。
- 単に「速い」という意味だけでなく、動きや筆致が鋭く機敏であるというニュアンスを含む。
例文
- 画家は構図を決めると、兎起鶻落の筆さばきで墨竹を描き上げた。
- 彼女の速記は兎起鶻落と形容したくなるほど速く、講演の内容をほとんど取りこぼさない。
- 好機を見た選手は兎起鶻落の動きで相手を抜き去り、得点を決めた。
分類
類義語
対義語
- 緩慢
- 遅疑逡巡
- 牛歩