検索

允執厥中

読み方:いんしつ けつちゅう

意味

誠実な心で、物事の行き過ぎや不足のない、最も適切で公正な中道をしっかり守ること。「允」はまことに、「執」は固く守る、「厥中」はその中正な道をいう。自分の私心や偏見に流されず、判断・政治・行動において正しい均衡を保つ意。

由来

中国古典『書経』の「大禹謨」にある「人心惟危、道心惟微、惟精惟一、允執厥中」に基づく。伝統的には、舜が禹に帝位を譲るにあたり、中正の道を守るよう戒めた言葉とされ、堯舜時代(伝説上は紀元前3千年紀頃)に仮託される。ただし、現行の「大禹謨」は東晋(4世紀)に現れた偽古文尚書系の篇とみる研究が有力で、文言の実際の成立は4世紀頃と考えられている。

備考

現代の日常会話ではまれで、政治・倫理・思想を論じる硬い文脈で用いる。「厥」は「その」、「中」は中正・中道の意。単なる「妥協」ではなく、道理にかなった適切な判断を指す。

誤用・混同注意

  • 「允執其中」と書き換えるのは、原典由来の定型句としては通常用いない。正しくは「允執厥中」。
  • 「厥中」は「けっちゅう」ではなく「けつちゅう」と読む。

例文

  • 指導者には、支持者の声だけに迎合せず、允執厥中の姿勢で政策を判断することが求められる。
  • 両者の主張にはそれぞれ一理があるため、感情的に決めず、允執厥中を心がけて調整案を作った。
  • 彼は厳格さと寛容さの均衡を大切にし、允執厥中を教育方針として掲げている。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字