優孟衣冠
読み方
ゆうもう いかん
意味
俳優などが、亡くなった人物の衣服や冠を身に着け、その人物になりきって演じること。転じて、先人や他人の姿・言動・作風などをまねることをいう。単なる模倣の意味では、独創性が乏しいという含みを伴う場合もある。
由来
中国の『史記』滑稽列伝に見える故事に基づく。春秋時代(紀元前6世紀ごろ)の楚で、俳優の優孟が、亡くなった名宰相・孫叔敖の衣冠を着けてその人をまね、荘王の前で演じた。優孟は孫叔敖の遺族の困窮を訴え、王に遺族を援助させたという。この故事から、他人になりきって演じることを指す語となった。『史記』の成立は前漢・紀元前1世紀ごろ。
分類・構成
備考
「優孟」は楚の俳優の名であり、「衣冠」は衣服と冠、または正装をいう。現代の日常会話ではまれな文語的表現で、演劇・芸能や先人の模倣を論じる文脈で用いられる。
誤用・混同注意
- 「優孟」は人物名であり、「優美な孟」などと字義どおりに分解して解釈しない。
- 「優猛衣冠」「優盂衣冠」などと書くのは誤り。
例文
- この俳優が故人の政治家を再現する演技は、まさに優孟衣冠と評された。
- 師の画風を忠実に写すだけでは、優孟衣冠にとどまり、独自の表現にはならない。
- 祭礼では役者が祖先の衣冠を着け、優孟衣冠の趣向で往時をしのばせた。
類義語
- 模倣
- 物真似
- 扮装
- 東施効顰
対義語
- 独立独歩
- 独創独歩