偏聴偏信
読み方:へんちょう へんしん
意味
一方の人や立場の話だけを聞き、その内容を偏って信じ込むこと。反対側の意見や客観的な証拠を十分に確かめず、片方の情報だけで判断する態度をいう。
由来
中国・唐代初期(7世紀ごろ)の政治書『貞観政要』には、唐の太宗の問いに対し、魏徴が「君主が明らかでいられるのは広く意見を聞く(兼聴)からであり、暗くなるのは一方だけを信じる(偏信)からである」という趣旨を述べた話がある。偏聴偏信は、この「兼聴・偏信」の教えを踏まえ、一方だけを聞いて信じる態度を表す語として用いられる。
備考
主に批判的な文脈で、「偏聴偏信に陥る」「偏聴偏信を避ける」のように用いる。一方の話を聞くこと自体ではなく、それだけを根拠に信じ込むことを問題にする語である。
別表記
- 偏聽偏信
誤用・混同注意
- 「偏聴」を単に聞こえが悪いことと解するのは誤りで、ここでは一方の意見だけを聞くことをいう。
例文
- 担当者は一人の証言を偏聴偏信せず、関係者全員から事情を聞いた。
- SNS上の断片的な情報を偏聴偏信すると、事実を見誤るおそれがある。
- 裁判や人事評価では、偏聴偏信を避け、複数の資料と意見を照合することが重要だ。
分類
類義語
- 一面之辞
- 独断偏見
- 一方的な判断
対義語
- 兼聴明察
- 公平無私