借刀殺人
読み方
しゃくとう さつじん
意味
自分では直接手を下さず、第三者の力や立場を利用して、敵対する相手を陥れたり害したりすること。「刀」は他人の力・手段のたとえである。政治・組織内の対立などで、他者を操って目的を果たすという、計略的で否定的な意味合いで用いられる。
由来
中国の兵法書「三十六計」にある第三計の名で、「刀を借りて人を殺す」、すなわち他人の武器や力を利用して相手を倒すという策を表す。「三十六計」は明代末から清代初期(17世紀ごろ)にかけて成立・整理されたとみられるが、個々の計略にはそれ以前の中国の戦争・政治の知恵が反映されている。
分類・構成
備考
兵法由来の語であり、通常は「他人を利用して害を与える」という非難・警戒の文脈で使う。「虎の威を借る狐」や「他人の褌で相撲を取る」とは、他者を利用する点で近いが、必ずしも相手を害する意味はない。
誤用・混同注意
- 「借刀殺人」は、単に他人の助力を得るという意味ではなく、第三者を利用して相手を害する・排除するという計略的な意味を含む。
- 「他力本願」と同義とするのは不正確。「他力本願」は本来、仏の力による救済を願う仏教語である。
例文
- 彼は自分の責任を負わず、部下をけしかけて反対派を失脚させようとした。まさに借刀殺人のやり方だ。
- 競合会社どうしを争わせて利益を得るという借刀殺人の戦略は、短期的には有効でも信頼を失いかねない。
- うわさを流して第三者に相手を攻撃させるのは、借刀殺人ともいえる卑劣な行為である。
類義語
- 間接攻撃
- 第三者を利用した攻撃
- 虎の威を借る狐