伯牙絶弦
読み方
はくが ぜつげん
意味
自分の音楽を深く理解してくれる唯一の親友・知己を失い、もはや演奏しても分かってくれる人はいないとして、琴の弦を断つこと。転じて、かけがえのない理解者や親友との死別、またはその深い悲しみをいう。
由来
中国の古典『列子』湯問篇に見える故事に基づく。春秋時代(紀元前8~前5世紀ごろ)の琴の名手・伯牙は、友人の鍾子期だけが自分の琴の志趣を理解できる「知音」だった。子期が死ぬと、伯牙は理解者はもういないとして琴を壊し、生涯弾かなかったとされる。『列子』の現行本の成立時期は確定していないが、魏晋期(3~4世紀ごろ)に整えられたとする見方が有力である。
備考
主に文章語・漢文調の表現で、日常会話では「唯一の理解者を失う」「知音を失う」などと言い換えることが多い。「伯牙子期」「知音」の故事とも深く結び付く。
例文
- 長年、互いの研究を理解し支え合った恩師の訃報に接し、彼は伯牙絶弦の思いを抱いた。
- 彼女にとって共同制作者の死は、単なる仕事仲間との別れではなく、まさに伯牙絶弦であった。
- 唯一胸の内を語れた友を失った彼は、伯牙絶弦の悲しみの中でしばらく筆を執れなかった。
類義語
- 伯牙子期
- 知音
- 断琴之交
- 琴瑟之友
対義語
- 管鮑之交
- 知音共鳴