以耳代目
読み方
いじ だいもく
意味
自分の目で実際を確かめず、人から聞いた話だけを、見た事実の代わりにして判断すること。伝聞をうのみにして、事実を誤認するおそれがあるという批判的な意味で用いる。
由来
清代の作家・蒲松齢(ほ しょうれい)による短編小説集「聊斎志異」の「司文郎」に見える「以耳代目、其失聰也、不亦宜乎」という句に基づく。聊斎志異は17世紀後半から18世紀初頭にかけて成立したとされ、耳で聞いたことを目で確かめた事実の代わりにする、という比喩から生まれた。
分類・構成
備考
文章語的で、伝聞だけに頼る軽率な判断を戒める際に使う。「耳で直接聞く」という行為そのものを否定する語ではない。実地で確認することの重要さを表す「百聞は一見に如かず」と対照的である。
誤用・混同注意
- 「いじたいもく」とは読まない。正しくは「いじだいもく」。
- 「以耳代眼」は一般的に定着した四字熟語ではなく、正しくは「以耳代目」。
- 単に耳で情報を得ることではなく、伝聞を実見した事実のように扱うことを指す。
例文
- 現地を確認せず、SNS上の投稿だけで事故の原因を決めつけるのは、以耳代目に陥りかねない。
- 伝聞だけで彼を批判したのは以耳代目だったと気づき、本人に事情を尋ねた。
- 調査では報告を受けるだけでなく、担当者自身が現場を見るべきであり、以耳代目の判断は避けなければならない。
類義語
- 伝聞
- 又聞き
- 聞きかじり
- 道聴塗説
対義語
- 実見実聞
- 現場確認
- 百聞一見