以湯止沸
読み方:いとう しふつ
意味
煮え立つ湯を、さらに熱湯を注いで止めようとすること。誤った方法で問題を解決しようとして、かえって事態を悪化させたり、根本的な解決にならなかったりするたとえ。
由来
中国の思想書『呂氏春秋』の「尽数」篇にある「以湯止沸、沸愈不止、去其火則止矣(湯をもって沸きを止めようとすれば、ますます止まらない。火を取り去れば止まる)」に基づく。『呂氏春秋』は秦代、紀元前239年ごろに呂不韋らによって編まれたとされる。
備考
日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられる。「火に油を注ぐ」と近いが、問題の根本原因を除かない誤った対処という含みが強い。
誤用・混同注意
- 「以湯制沸」と書くのは誤りで、正しくは「以湯止沸」。
- 単に「努力して問題を解決する」という肯定的な意味で用いるのは誤り。
例文
- 不祥事の原因を調べず担当者だけを交代させても、以湯止沸にすぎない。
- 苦情を一時的な値引きで抑えようとする対応は、品質改善を伴わなければ以湯止沸となる。
- 問題の火種を取り除かず規制だけを強めるのは、以湯止沸で事態を悪化させかねない。
分類
類義語
- 以湯沃沸
- 火に油を注ぐ
- 焼け石に水
対義語
- 釜底抽薪
- 抜本解決