以毒攻毒
読み方
いどく こうどく
意味
毒による害や病気を、別の毒を用いて抑えたり治したりすること。転じて、悪人・悪事・害のある手段などに対し、同種の強硬な手段を利用して対抗することをいう。効果が期待される一方で、危険性や倫理上の問題を伴う場合がある。
由来
中国古典の『周礼』天官・瘍医にある「凡療瘍、以五毒攻之(およそ瘍を療するに、五毒を以てこれを攻む)」に基づくとされる。「五毒」と呼ばれる薬物を用いて腫れ物などを治療する考え方から、毒をもって毒を抑える意味になった。『周礼』は戦国時代から前漢期(前3〜前2世紀ごろ)に成立したとされる。
分類・構成
備考
本来は治療に毒性のある薬物を用いる考え方を指す。比喩として用いる場合は、「悪い手段には悪い手段で対抗する」という強い響きがあり、肯定的とは限らない。
誤用・混同注意
- 「以毒制毒」と書くのは一般的な四字熟語としての標準形ではない。標準形は「以毒攻毒」。
- 「毒を以て毒を制す」と同義だが、「以毒攻毒」を単に報復や仕返しの意味だけで用いるのは不正確な場合がある。
例文
- 害虫の被害を抑えるために天敵を導入する方法は、ある意味で以毒攻毒の発想だ。
- 相手の悪質な宣伝に同じような手法で対抗する案は、以毒攻毒ではあるが慎重に検討すべきだ。
- 毒性を利用して病気を治療する研究は、以毒攻毒の原理に通じるものがある。
類義語
- 毒を以て毒を制す
- 以夷制夷
- 荒療治
対義語
- 以徳報怨
- 和解協調