以暴易暴
読み方
いぼう えきぼう
意味
暴虐な政治や暴力を、別の暴力・暴政によって取り替えること。また、悪を倒すために暴力を用いても、結局は同じような悪を生み出してしまうことを批判的にいう。
由来
中国前漢の司馬遷が紀元前91年頃までに著したとされる『史記』の「伯夷列伝」に由来する。周の武王が殷の紂王を討とうとした際、伯夷・叔斉がこれを諫め、「以暴易暴兮、不知其非矣(暴をもって暴に易う。自らその誤りを知らない)」と嘆いた故事から成る。
分類・構成
備考
主に政治・戦争・報復などを批判的に論じる文脈で用いる。「以暴制暴」と似るが、後者は暴力で暴力を抑えること、前者は暴政・暴力を別の暴政・暴力に替えることに重点がある。
誤用・混同注意
- 「以暴制暴」と混同しない。以暴制暴は暴力を用いて暴力を抑える意であり、以暴易暴とは焦点が異なる。
- 暴力による解決を肯定する語ではなく、暴力や暴政が別の暴力・暴政へ置き換わることを批判する表現である。
例文
- 暴政を倒した後に別の独裁政権が生まれたなら、それは以暴易暴にすぎない。
- 報復を繰り返す以暴易暴の連鎖では、争いの根本的な解決にはならない。
- その武力による政権交代は、正義の実現なのか、それとも以暴易暴なのかが問われている。
類義語
- 暴力革命
- 武力による政権交代