仁者楽山
読み方
じんしゃ らくざん
意味
徳の高い仁者は、動じず安定した山を好み、山のようにどっしりと落ち着いているという意味。単に山登りや山の景色を好むことだけでなく、仁愛のある人の静かで揺るがない人格を、山にたとえていう。
由来
中国の古典『論語』雍也篇にある孔子の言葉「知者楽水、仁者楽山(知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ)」に基づく。『論語』は、紀元前5世紀から紀元前3世紀ごろにかけて、孔子(紀元前551年頃~紀元前479年)の言行を弟子たちが伝え、編纂したものとされる。水のように動く知者に対し、仁者は山のように静かで安定していると表現した。
分類・構成
備考
「知者楽水」と対にして用いられることが多い語。知者は変化し流動する水を好み、仁者は静かで安定した山を好むとする。日常会話よりも、漢文・教養的な文章で使われる。
誤用・混同注意
- 「知者楽山」とするのは誤り。対句では「知者楽水、仁者楽山」という。
- 「仁者楽水」と取り違えないよう注意する。
- 「楽」はこの語では通常「らく」と読み、「じんしゃがくざん」とは読まない。
例文
- 祖父は派手に自己主張する人ではないが、困った人を黙って助ける姿には、まさに仁者楽山という趣がある。
- 『論語』の仁者楽山という言葉は、仁愛を備えた人の揺るがない心を山になぞらえた表現である。
- 地域の山林を長年守り続ける彼の穏やかな姿勢を見て、私は仁者楽山という故事を思い出した。