五経掃地
読み方:ごきょう そうち
意味
儒教の根本経典である五経の教えが、まったく顧みられずに廃れること。また、儒教に基づく道徳・礼法や学問の権威が、すっかり地に落ちることをいう。
由来
中国の正史『新唐書』に見える故事に基づく。北宋の嘉祐5年(1060年)ごろに完成した同書で、儒教の根本経典である五経の教えが地に落ち、顧みられなくなるほど世の道徳や学問が衰えたことを「五経掃地」と表した。「掃地」は、地を掃く意から転じて、すっかり失われる・地に落ちる意。
備考
現代の日常会話ではまれな、文語的で硬い表現。主に儒教的な倫理・礼法・学問が衰えたことを嘆き、批判する文脈で用いる。五経は通常、易経・書経・詩経・礼記・春秋を指す。
誤用・混同注意
- 「五経」を単に「五つの経典を掃除する」という字面どおりの意味に解するのは誤り。
- 「ごけいそうち」ではなく、標準的な読みは「ごきょうそうち」。
例文
- 礼法を軽んじる風潮が広がり、老儒者は五経掃地のありさまだと嘆いた。
- 教育よりも目先の利益だけが重んじられる社会を、彼は五経掃地に等しいと批判した。
- この作品は、乱世によって五経掃地となった時代の知識人の苦悩を描いている。
分類
類義語
- 礼崩楽壊
- 人心荒廃
- 道徳頽廃