五停心観
読み方:ごじょうしんかん
意味
仏教で、修行者の心に起こる主要な煩悩や乱れを鎮め、禅定・悟りの修行に入りやすくするための五種の観法。不浄観・慈悲観・因縁観・界分別観・数息観をいう。貪欲・怒り・無知・我執・心の散乱など、それぞれの傾向に応じて修する。
由来
インド仏教のアビダルマ(論蔵)系の修行論に由来する。世親(ヴァスバンドゥ、4~5世紀頃)作とされる『倶舎論』に、煩悩の傾向に応じて不浄・慈悲・因縁・界分別・数息の観法を行う教説が見られ、後に「五停心観」として体系化された。中国・日本の仏教教学にも伝わった。
備考
上座部・説一切有部系の修行論に由来し、中国・日本の仏教でも基礎的な観法として受容された。日常会話で比喩的に使う語ではなく、主に仏教教学・修行の文脈で用いる。
別表記
- 五停心觀
誤用・混同注意
- 「五定心観」は誤記。「停」が正しい。
例文
- 僧は初学者に、五停心観のうち数息観から実践するよう勧めた。
- 講義では、貪りの強い者には不浄観を用いるという五停心観の対応を学んだ。
- この注釈書は、五停心観を本格的な禅定に入る前に心を整える修行として解説している。
分類
類義語
- 五停心