五倫十義
読み方:ごりん じゅうぎ
意味
儒教における人間関係の基本原理である「五倫」と、人が各々の立場で守るべき十の道義である「十義」を合わせた語。君臣・父子・夫婦・長幼・朋友などの関係において、慈愛・孝行・忠誠・仁徳などを尽くすべきだとする倫理観をいう。
由来
中国の儒教思想に基づく語である。「五倫」は戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の『孟子』に見える、父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の五つの人倫をいう。「十義」は前漢以前に成立したとされる『礼記』「礼運」にある「父慈・子孝・兄良・弟弟・夫義・婦聴・長恵・幼順・君仁・臣忠」の十の徳目に由来する。これらを併せて五倫十義という。
備考
歴史的には身分秩序や男女・年齢による役割の違いを前提とする倫理観でもある。現代に用いる際は、その歴史的背景や価値観を踏まえる必要がある。
誤用・混同注意
- 「五倫五常」と混同しない。五倫五常は、五倫と仁・義・礼・智・信の五常を組み合わせた別の語。
- 十義を『孟子』の五倫そのものと誤解しない。十義の典拠は主に『礼記』「礼運」である。
例文
- 儒教では、社会の秩序を保つ基本として五倫十義が重視された。
- 江戸時代の道徳教育には、五倫十義を尊ぶ考え方が大きな影響を与えた。
- その文章は五倫十義を紹介しつつ、現代社会における人間関係のあり方を論じている。