不昧因果
読み方:ふまい いんが
意味
因果の道理をくらまさず、悟りを得た人であっても行為の善悪とその結果という因果関係を免れるわけではない、という禅語。因果に縛られて迷うこととも、因果を無視することとも異なる立場をいう。
由来
中国禅の公案集『無門関』第二則「百丈野狐」に見える語。唐代(8~9世紀ごろ)の禅僧・百丈懐海にまつわる説話で、老人が「大修行底の人も還って因果に落つや」と問うた際、百丈が「不昧因果(因果をくらまさない)」と答えたとされる。『無門関』自体は南宋の無門慧開が1228年ごろに編纂した。
備考
主に禅仏教の文脈で用いる格調高い語。「因果を知らない」という意味ではなく、「因果の理を見失わない」という意味である。「不落因果」と対にして論じられることが多い。
補足
- 「不昧因果」を「因果関係を知らない・理解しない」という意味に解するのは誤り。
- 「不落因果」と混同しない。「不落因果」は因果に落ちないことをいい、公案では問題視された表現として扱われる。
例文
- 禅の教えでいう不昧因果とは、悟ったからといって行為の責任が消えるわけではないという考え方である。
- 権限を持つ人ほど不昧因果の姿勢を忘れず、自らの判断が及ぼす結果を引き受ける必要がある。
- 彼は失敗を運のせいにせず、不昧因果の精神で原因を省みて改善策を講じた。
分類
対義語
- 不落因果