不可抗力
読み方:ふか こうりょく
意味
人の通常の努力や注意では防止・回避できず、抵抗することもできない外部の出来事や力。法律上は、地震・台風などの自然災害、戦争、行政上の措置などにより、契約上の義務を果たせなくなった事情を指すことがある。ただし、実際に不可抗力に当たるかは、契約内容や予見・回避可能性によって判断される。
由来
漢文的な「不可(…することができない)」と「抗力(力に抵抗すること)」から成る語である。特定の中国古典に由来する故事成語ではない。日本では、近代法の整備・翻訳が進んだ明治期、特に1896年(明治29年)公布の明治民法などで法律用語として用いられ、フランス語の force majeure(フォース・マジュール)に相当する概念として定着した。
備考
日常語では「どうしようもない災害・事情」の意で使う。契約や法律では重要な専門用語であり、自然災害であっても当然に不可抗力となるわけではない。
補足
- 自然災害であれば常に「不可抗力」になると考えるのは誤り。法的には、予見可能性・回避可能性、契約条項、当事者の対応などを踏まえて判断される。
例文
- 大型台風による物流停止が、契約上の不可抗力に当たるかを確認する必要がある。
- 会社は、不可抗力によって催事を中止する場合の返金条件を利用規約に定めた。
- 地震による被害が不可抗力と認められても、事前に可能だった安全対策まで免除されるとは限らない。
分類
類義語
- 不可避
- 天災地変
- 不慮の事故
対義語
- 帰責事由
- 人為的事由