三諦円融
読み方:さんたい えんゆう
意味
天台宗の教理で、空諦・仮諦・中諦という三つの真理は、互いに別々に存在するのではなく、一つの真理の中で完全に調和し、融け合っているとする考え。あらゆる存在を、空・仮・中の三面から同時に捉える思想をいう。
由来
中国・隋代(6世紀後半〜7世紀初頭)の天台大師智顗(ちぎ)が大成した天台教学に由来する。龍樹の『中論』などに説かれる空・仮・中の思想を、智顗が「三諦」として体系化し、その三者が隔たりなく一体であることを「円融」と表した。日本には最澄らによって伝えられ、天台宗の重要な教義となった。
備考
主に天台宗で用いられる専門的な仏教用語で、日常会話で使われることはほとんどない。「空・仮・中」を三つの独立した真理と捉えるのではなく、相即不離のものとする点が重要である。
誤用・混同注意
- 「三諦」を空・仮・中という互いに独立した三つの教説だと理解するのは不正確であり、三者の円融・相即が要点である。
- 「円融三諦」は関連する定着した語だが、「三諦円融」とは語順が異なる。
例文
- 天台宗では、三諦円融の立場から、現象世界と真理を対立するものとはみなさない。
- この講義では、空・仮・中が一体であるという三諦円融の思想を学んだ。
- 三諦円融の教えは、物事を一面的に判断しないための深い視点を与えてくれる。