三綱五倫
読み方:さんこう ごりん
意味
儒教で重視される基本的な人倫・道徳の原則。三綱は君臣・父子・夫婦における秩序の根本をいい、五倫は父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信という五つの人間関係の道理をいう。
由来
「五倫」は、戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の儒家の書「孟子」に見える、父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の五つの関係の教えに由来する。「三綱」は後漢(1世紀ごろ)に成立した「白虎通義」に説かれる君為臣綱・父為子綱・夫為妻綱に基づく。両者を合わせて、儒教的な社会秩序と道徳を表す語となった。
備考
歴史的には東アジアの社会倫理に大きな影響を与えた。一方、君臣・夫婦の上下関係を前提とする面があるため、現代では歴史的・批判的な文脈で語られることも多い。
誤用・混同注意
- 「三綱五常」と混同しない。五倫は人間関係に関する五原則、五常は仁・義・礼・智・信という五つの徳目をいう。
- 「三綱五綸」と書くのは誤り。正しくは「三綱五倫」。
例文
- 江戸時代の儒学教育では、三綱五倫が人として守るべき道として教えられた。
- その思想は三綱五倫に基づく上下関係と家族秩序を重んじている。
- 研究者は、三綱五倫を近代的な自由や男女平等の考え方と比較しながら論じた。