三心具足
読み方:さんしん ぐそく
意味
浄土に往生するために必要とされる三つの心、すなわち至誠心(まごころ)・深心(深く信じる心)・回向発願心(功徳を往生に振り向けて願う心)を、すべて備えていること。浄土教における重要な心構えをいう。
由来
浄土教経典の『観無量寿経』にある「具三心者、必生彼国(さんしんを具する者は、必ずかの国に生ず)」という文が基盤である。この経典は中国・劉宋期の5世紀前半に訳出されたと伝えられるが、成立事情や訳者には異説もある。「三心を具える」という意味を四字にまとめた仏教語である。
備考
主に浄土教で用いる仏教語である。三心の具体的な解釈や、往生との関係の捉え方には、浄土宗・浄土真宗などの宗派や注釈者による違いがある。「三心二意」とは別の語。
誤用・混同注意
- 「三心」を単に一般的な「三つの心」と解するのは不正確で、浄土教で定める至誠心・深心・回向発願心を指す。
- 「三心二意」と同じ意味だと誤解しない。三心具足は、迷いや二心をいう語ではない。
例文
- 浄土教では、至誠心・深心・回向発願心を備えることを三心具足という。
- 僧侶は、三心具足の教えを通して、念仏に向かう心構えを説いた。
- この注釈書は、往生に関わる三心具足の意味を詳しく論じている。