万物皆備
読み方:ばんぶつ かいび
意味
あらゆる物事・道理が、すでに自分自身の内に完全に備わっているということ。単に多くの物を所有している意味ではなく、人間の本性や心には天地万物に通じる理が具わっている、という儒教的な考え方をいう。
由来
中国の戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立した儒家の書「孟子」尽心章句上にある「万物皆備於我矣(万物皆我に備わる)」に基づく。孟子は、自分の内面を省みて誠実であれば、万物の理が自己に具わっていることを知る大きな喜びがある、と説いた。
備考
儒教、とくに孟子の性善説と関わりの深い語である。「万物が自分に備わる」とは、物質的な所有ではなく、万物に通じる理や徳性が人の内面に具わるという趣旨。
補足
- 物質的に「あらゆる物を所有している」という意味に限定するのは誤解であり、原義は万物の理が自己の内に具わるという思想である。
- 「万物完備」は定着した四字熟語ではない。
例文
- 孟子のいう万物皆備は、外の知識だけを求めず、自らの心にも目を向けるべきだという教えである。
- 彼は万物皆備の思想に触れ、人間には本来、成長のための可能性が備わっていると考えるようになった。
- 万物皆備という言葉を、何でも所有しているという意味に解してはいけない。
分類
類義語
- 円満具足
- 一切具足