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一絃一柱

読み方:いちげん いっちゅう

意味

琴の一本一本の弦と、それぞれの弦を支える琴柱(ことじ)のこと。転じて、琴の音の一つ一つに触れながら、過ぎ去った若い時代や華やかな昔をしみじみと思い返すことをいう。

由来

中国・唐代後期(9世紀)の詩人、李商隠(りしょういん)の詩「錦瑟」にある「錦瑟無端五十絃、一絃一柱思華年(錦瑟むたんに五十絃、一絃一柱華年を思う)」に基づく。「一絃一柱」は琴の弦と琴柱の一本ずつをいい、詩では琴を前にして過ぎた青春を思う心情が表されている。詩の正確な成立年は不明である。

備考

「柱」は建物の柱ではなく、琴の弦を支え、音程を調整する可動式の駒である「琴柱(ことじ)」を指す。日常会話よりも、漢詩の解説や文学的な文章で用いられる。

別表記

  • 一弦一柱

誤用・混同注意

  • 「柱」を建築物の柱と解するのは誤りで、琴の弦を支える「琴柱(ことじ)」を指す。

例文

  • 李商隠の「錦瑟」にある「一絃一柱思華年」は、琴の音ごとに若き日を思い返す心情を詠んだ句である。
  • 古琴を前にした彼は、一絃一柱に、亡き友と過ごした華年の記憶を重ねた。
  • 展示解説では一絃一柱という語を用い、琴の弦と琴柱の細部にまで施された繊細な意匠を説明していた。

分類

この四字熟語に使われている漢字