一牛鳴地
読み方
いちぎゅうめいち
意味
牛が一声鳴けば聞こえるほどの近い距離を表す語。転じて、目的地・場所・関係などが非常に近いこと、隔たりがほとんどないことをいう。仏教語としては、浄土がはるか遠い場所ではなく、身近にあることを示す文脈でも用いられる。
由来
中国で漢訳された仏教経典『観無量寿経』に見られる表現に由来する。同経には、西方の極楽浄土は「一牛鳴地」、すなわち牛の鳴き声が届くほど近いと説かれる。経典の漢訳は一般に5世紀ごろ(南朝宋代、畺良耶舎訳と伝える)とされるが、成立・訳者については諸説ある。日本には仏教の伝来とともに伝わった。
備考
主に仏教・漢文調の文章で用いられる硬い語で、日常会話では「目と鼻の先」などが自然。距離だけでなく、抽象的な隔たりの小ささを表すこともある。
例文
- 駅から会場までは一牛鳴地なので、時間に余裕をもって歩いても間に合う。
- 両国は海を隔てているが、一衣帯水、ほとんど一牛鳴地の関係にある。
- 理想の実現は遠いように見えても、準備が整えば一牛鳴地のところまで来ている。
類義語
- 咫尺之間
- 目と鼻の先
- 一衣帯水
対義語
- 千里万里
- 遥遠
- 遠隔