一朝之忿
読み方
いっちょう の いかり
意味
一時的な、ちょっとした怒りのこと。「一朝」はわずかな時間、「忿」はいかりをいう。ほんの一瞬の怒りに任せて行動すると、自分自身だけでなく親にも害や迷惑を及ぼしかねない、という戒めを含んで用いられる。
由来
中国古典の『論語』顔淵篇にある「一朝之忿、忘其身以及其親、非惑与(いっちょうのいかり、そのみをわすれ、そのしんにおよぶ、まどいにあらずや)」に基づく。孔子の言行を弟子らがまとめた『論語』は、春秋時代(紀元前6~5世紀)の思想を伝え、戦国時代ごろ(紀元前4~3世紀ごろ)に編纂されたとされる。
分類・構成
備考
「忿」は「憤」と同系の字で、怒り・憤りを表す。日常会話では「一時の怒り」と言うほうが自然だが、古典的な戒めや文章語として用いられる。「一朝」は単に「ある朝」を指すのではなく、ここでは短い時間の意。
誤用・混同注意
- 「忿」を「憤」と書くことがあるが、原典および四字熟語としての表記は「一朝之忿」。
- 「一朝」を「ある朝」の意味と解するのは不適切で、ここでは「わずかな時間」「一時」の意。
- 「いっちょうのふん」と音読みするのではなく、慣用的には「いっちょうのいかり」と読む。
例文
- 一朝之忿に駆られて相手を傷つける言葉を口にしないよう、まず深呼吸をした。
- 彼は一朝之忿で会社を辞めるのではなく、数日考えてから結論を出した。
- 一朝之忿が大きな争いを招くこともあるため、感情的な返信は控えるべきだ。
類義語
- 一時の怒り
- 一時の憤り
- 激昂