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一念不生

読み方:いちねん ふしょう

意味

一つの妄念・分別も心に生じないこと。禅では、外界の事物や自我への執着にとらわれず、心が本来の静かで清らかな状態にある境地をいう。単にぼんやりして何も考えないことではなく、雑念に執着しないあり方を表す。

由来

中国禅の語。唐代9世紀ごろの禅僧・黄檗希運(おうばく きうん)の語録とされる『伝心法要』に、「但能一念不生、便是仏(ただよく一念も生ぜざれば、すなわちこれ仏なり)」という趣旨の句が見られる。そこから、妄念の起こらない禅的境地を表す語として用いられるようになった。

備考

主に禅・仏教の文脈で用いる語で、日常会話では硬い表現。「何も考えない」という意味に限定せず、妄想や執着にとらわれない心の状態として理解するのが適切。

誤用・混同注意

  • 「一念不生」を、単に意識を失った状態や何も考えない状態の意味に限定するのは不正確。禅では妄念や執着にとらわれない境地をいう。
  • 「ふせい」ではなく、通常「ふしょう」と読む。

例文

  • 座禅中、一念不生の境地を目指して、静かに呼吸を整えた。
  • 師は、一念不生とは思考を力ずくで止めることではない、と説いた。
  • 一念不生になろうと焦るほど、かえって雑念が次々と浮かんできた。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字