一切種智
読み方:いっさいしゅち
意味
仏が備える、あらゆる事物・真理を、その個別のあり方や相互関係も含めて完全に知り尽くす智慧をいう。大乗仏教で説かれる最高の智慧であり、「一切智」と「道種智」をあわせ包むものとされる。
由来
大乗仏教の般若経典に由来する仏教語で、サンスクリット語 sarvākārajñatā(すべての相・あり方を知る智慧)の漢訳語とされる。中国では鳩摩羅什訳『大智度論』(5世紀初頭、402~406年ごろ訳出)などで、一切智・道種智・一切種智という三智の一つとして体系的に説かれ、日本にも仏教語として伝わった。
備考
日常会話で用いる語ではなく、仏教教学・仏典解説で使われる専門語である。「一切智」と似るが、後者は一切の法の本質を知る智慧、前者はその働きや個別相まで含む完全な智慧として区別される。
誤用・混同注意
- 「一切智」と同義とするのは不正確。一切種智は、一切智・道種智を包摂する仏の完全な智慧を指す。
- 「一切衆智」などと書くのは誤りで、正しくは「一切種智」。
例文
- 大乗仏教では、一切種智は仏だけが究極的に具える智慧であると説かれる。
- 菩薩は修行を重ね、最終的には一切種智の完成を目指すとされる。
- 講師は、一切種智を単なる知識の多さではなく、真理を完全に見通す仏の智慧だと説明した。
分類
類義語
- 一切相智
- 仏智
- 一切智智