高名の木登り
読み方:こうみょう の きのぼり
意味
熟練した人は、最も危険な場面では自分で十分に注意するため、むしろ仕事がほとんど終わった安心しやすい段階で失敗しやすい、という教え。物事は終わり際まで気を緩めず、慎重に行うべきだという意味で使う。
由来
鎌倉時代末期に成立した兼好法師の随筆『徒然草』第百九段に見える話に由来する。木登りの名人が人を高い木に登らせて梢を切らせた際、危険な高所では何も言わず、軒ほどの高さまで降りてきたところで「あやまちすな。心して降りよ」と注意した。名人は、危険な所では本人が恐れて慎重になるため注意を要しないが、失敗は安心できる所で必ず起こるものだと説明した。
備考
単に「木登りが上手な人」を指す語ではなく、『徒然草』第百九段の説話を踏まえた教訓として用いる。現代では、完成間際・成功間際の油断を戒める場面に適する。
例文
- 企画は承認目前だが、高名の木登りというから、提出前の数字の確認を怠らないようにしよう。
- 試験が終わるまでが試験だ。高名の木登りを忘れず、最後の見直しまで集中しなさい。
- 登山では下山時の事故も多い。高名の木登りの教えどおり、山を下りるまで気を抜かないことが大切だ。