雁は八百矢を避く
読み方:かり は やおや を さく
意味
どれほど経験があり、ふだんは細心の注意を払っている人でも、失敗や災難を完全に避け続けることはできないというたとえ。雁は多くの矢を巧みに避けても、いつかは一本の矢に当たるという意に基づく。
由来
雁猟で、雁が猟師の矢を巧みに避ける様子を人間の失敗にたとえた、日本で定着したことわざと考えられる。「八百」は実数の八百本ではなく、「非常に多い」の意である。成立した年代や特定の文献上の初出は明確ではない。後に「雁は八百矢を避けて一矢に当たる」ともいわれる。
備考
「八百矢」は「はっぴゃくや」ではなく「やおや」と読む。「八百屋」と同音だが無関係。古風な「避く」は現代語では「避ける」に当たる。熟練者でも失敗するという戒めとして用いる。
別表記
- 雁は八百矢を避けて一矢に当たる
誤用・混同注意
- 「八百矢」を「はっぴゃくや」と読むのは誤りで、読みは「やおや」。
- 『注意深ければ、すべての危険を確実に避けられる』という意味に解するのは不正確。どんな熟練者・慎重な人にも失敗はありうるという戒めである。
例文
- 長年無事故だった担当者にも一件の見落としがあった。雁は八百矢を避くというから、経験者ほど確認を怠ってはいけない。
- 彼は優秀な棋士だが、この対局ではうっかり悪手を指した。まさに雁は八百矢を避く、である。
- 何重にも点検したつもりでも不具合が出ることはある。雁は八百矢を避くというように、過信せず再確認しよう。
分類
類義語
対義語
- 百戦百勝
- 常勝無敗