閉ざさぬ御代
読み方:とざさぬ みよ
意味
盗賊や騒乱がなく、夜になっても家の戸を閉めなくてよいほど、治安がよく世の中が平和に治まっている時代・政治のこと。「閉ざさぬ」は、ここでは戸を閉めないという意味である。
由来
中国古典『礼記』の「礼運」にある、理想社会では外の戸を閉めないという趣旨の「外戸而不閉」に由来するとされる。『礼記』は戦国時代から前漢期にかけて成立した儒家の礼書で、篇ごとの成立時期には諸説ある。日本では江戸時代に尾張いろはかるたの「と」の札として定着した。
備考
尾張いろはかるたの「と」の札として知られる。日常会話では多用されず、治安のよさや理想的な政治を格調高く述べる際に用いられる。
別表記
- 戸を閉ざさぬ御代
- 閉ざさぬ御世
- 戸を閉ざさぬ御世
誤用・混同注意
- 「閉ざす」を『心を閉ざす』の意味に解するのは誤り。省略されているのは家の「戸」であり、治安がよく戸締まりの必要がない世を表す。
- 単に戸を開け放して暮らすという生活習慣を指すのではなく、盗賊や争いのない理想的な世の中のたとえである。
例文
- 人々が夜道を安心して歩ける町は、まさに閉ざさぬ御代を思わせる。
- 為政者にとって、民が不安なく暮らせる閉ざさぬ御代を実現することは理想の一つである。
- その記録は、盗みも争いも少ない閉ざさぬ御代であったことを伝えている。
分類
類義語
- 天下泰平
- 太平の世
- 夜不閉戸
- 路不拾遺
対義語
- 乱世
- 兵荒馬乱
- 盗賊横行